外から、カン、カンと鍋の裏を叩くような音が聞こえてくる。起床の時刻だ。°26
収容所では、年末年始だからといって、何か祝ったり、プレゼントを貰えたりといったことはない。だが、そこは奴隷商人も人の子、夕食にちょっとだけ、お菓子がついていたりする。もちろん、目的なしにそうしているわけではない。そのお菓子にしても、もともとは日中、子供達に作らせたものだ。要するに、世間一般の年末のお祭りについて、何も知らせない状態で売り飛ばすのも都合が悪いから、教育のためにも、またちょっとした気晴らしのためにも、こうしたイベントを設けているわけだ。°42